【完】ペテン師との甘い夜
「ひゃっ!」



「クスクスっ可愛いね。」



セキは私の額に軽くキスを落として車を走らせた。



ハンドルを握る彼の横顔は、まるでこの世のものじゃないように美しく、彼は例えるなら、そう



オパールのような少し怪しい色を帯びていた。



「ねぇ、一体何処へ向かっているの?」



「君が何時も飲んでいる店。」



セキはニッコリ微笑んだ。



何で知ってるのって聞いても、どうせ『ペテン師だから』ってはぐらかされるだろう。



私はその話題を終わらせ、セキに一つ質問した。
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