【完】ペテン師との甘い夜
朱美ちゃんの眼光
……−カランコロン
「あら、伊織チャン…と。」
朱美ちゃんが私に挨拶したあとセキを見る。
何時も余裕そうな朱美ちゃんなのに、何故か今日は瞳がギラギラしていて『殺気』を放っていた。
「やぁ、今は『朱美ちゃん』なんだね。」
セキは変わらず妖艶に微笑む。
この二人、知り合い?
「人の過去、間違っても掘り起こすなよ?」
朱美ちゃんは物凄い迫力で言う。
「はいは〜い!そんな怖い顔しないの。」
セキは相変わらず飄々としてカウンターに座った。