【完】ペテン師との甘い夜
Side with 朱美
はぁ…伊織チャン。
何でよりによってコイツなんだよ…
じゃなくて、コイツなのよ。
コイツは俺…じゃなくて、私の過去を知っている男なのよ。
"朱美ちゃん"としての私が生まれる前の"六道朱也"としての、過去を知っている人間…
「伊織チャン?」
「なぁに?」
伊織チャンは綺麗な顔を向ける。
瞳の色を失っている漆黒の瞳を。
そんな伊織チャンに、私は聞いてみる。
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