【完】ペテン師との甘い夜
「じゃあオレ、そろそろ帰るからね〜ん!」



あれだけ飲んだはずのアイツは全く平気な顔で立ち上がると勘定を済ませさっさとへらへらする。



「セキ、飲酒運転だよ?ダメじゃん。」



「オレが捕まると思うわけ?」



アイツは伊織チャンに余裕の笑みを浮かべる。



妖艶。



正にその言葉の似合う雰囲気だ。



「じゃ、バイバイ!また来るからね!伊織、"朱美ちゃん"」



アイツに朱美ちゃんって呼ばれるだけで胸糞悪いわ。



「もう来んなよな。酒が不味くてしょうがねぇよ。」



私は"朱也"の顔で睨みつけた。
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