【完】ペテン師との甘い夜
"セキ"
「伊織!!ちょっと!」
お昼の社員食堂。
久美はトレイを持ったまま走ってくる。
「何?どうしたの?」
「じっ実はね!私、社長秘書になっちゃったよ!」
「…はぁ!?」
社長って、うちの社長だよね?
だって…
「誰も見たことない、あの社長の秘書?」
「そうなの!!」
久美は興奮気味だ。
なんせ噂のあの社長に自分が会えるのだから。
まあ私はあんまり興味無いんだけど。