【完】ペテン師との甘い夜
「なんで、あいつはお前に興味を持つのか?」



国見社長は心底不思議そうに、その短めの眉毛を寄せた。



「さあ…私にも、よく分かりませんから。」



私もセキの顔を思い出しながら目を細めた。



あいつは突然私の目の前に現れて謎を残して行く。



会えば会うほどもっと知りたくなるし、もっと欲しくなる。



セキには捕らえた獲物は離さないそんなパワーがあるんだ。



私はそんなセキに、捕らえられてしまったのかもしれない。
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