【完】ペテン師との甘い夜
「誰、それ?」



「さあね。調べてみたら?」



なんとも色っぽい唇。



下唇をぺろりと舐める仕草さえ美しく、ドキリと心臓が鼓動を立てる。



「ヒントあげたんだから、オレのいいなりになってもらおうかな?」



再び耳元に寄ってきた唇から低い声が響いてきて、ふぅっと耳に息を噴きかけられると、ぞくぞくと背筋に電流が走った。



体に力が入らなくなり、セキに体を預ける形になる。



ああもう、どうにでもなればいいわ。
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