【完】ペテン師との甘い夜
まただ…。



またこの痺れるみたいな感覚。



私を溶かすこの感覚。



「伊織?今日は、キスだけじゃ許さないから…。」



セキが美しく微笑んだ。



なんとも怪しく艶めいている。



艶って言葉は彼の為の言葉なんだと思えてくる。



セキのなまめかしい手つきの一つ一つに、私は過敏に反応してしまう。



触れられた箇所が熱く熱くほてりその熱が甘さを残していくんだ。



それまでに感じたことのない快楽の波。



私はその波にただ抗うことも出来なかった。
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