【完】ペテン師との甘い夜
「伊織チャン…もしかして、コイツと知り合い?」



朱美ちゃんがショウジを指差す。



「え…ええ。高校生の同級生。」



「フーン…。」



朱美ちゃんは適当な相槌を打って私に近寄る。



そして細い腕を私の腰に回した。



「コイツが、伊織チャンを刺した女の相手ねぇ。」



低く囁かれた朱美ちゃんの言葉。



全てを見透かした瞳。



ああ…私、朱美ちゃんには隠し事出来ない。



ショウジも気まずそうな表情を崩さなかった。
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