【完】ペテン師との甘い夜
もしかして…。



「前、セキが朱美ちゃんを口止めしたことって…」



「ええ。そのことよ。」



私に灰色の瞳がきょろっと向く。



「その貴方達の知っているセキ、何者なのかしら…?」



「それを調べる為に頼んだのよ。」



「もっとも、調べたせいでまたよく分からなくなっちゃったのよね?」



私の言葉に朱美ちゃんの美しい顔が縦に動く。



「そしてセキが口にしたヒントがポイントよね。」



煙草の煙と共に吐き出された言葉に対し、ショウジが待ってましたとばかり反応した。
< 94 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop