【完】ペテン師との甘い夜
ショウジは一見チャラ男だけど、頭のキレは良く、こういう仕事にも向いてるのかもしれない。



私はそう思いながらノートパソコンの上で動く彼の指先を見つめた。



「じゃあ調べたことを言うね。


霧島勇治。22歳、職業は不明。殺人罪で起訴されたが、無罪。」



ショウジは淡々と読み上げる。



「待って。職業不明って何?」



朱美ちゃんは不服そうにショウジを睨む。



「どんなに調べたって分かんねぇんだよ。」



朱美ちゃんの鷹のような眼光を浴びたショウジが、情けない声で訴えた。
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