ひかり
「ねえ、愛里ちゃんだよね~?」
「え!?」



隣の子が話しかけてきた。
ショートヘアがよく似合う可愛い子だな。
びっくりして変な声出しちゃったよ。
なんであたしの名前知ってるんだろ…



「あははは、なにその声!マジうける プププ…」
「そんなに笑わなくても…」
「ごめんごめん、私は佐藤ひかり!よろしく」
「よろしく。私はしの…」
「篠原愛里でしょ?知ってるって」
「なんで知ってるの?」
「だって愛里ちゃん有名だよ、かっこいいって」
「なにそれー」



確かに見た目は男っぽいかもしれないけど、有名とかありえないでしょ。
でも、とりあえず話せる子いてよかった。
話合いそうだし。



「愛里ちゃんってテニス部でしょ?」
「うん、そうだよ」
「私吹奏楽部なんだけどさー、部室からテニスコート見えるからいつも見てたよ」
「え、マジで?」
「うん、かっこいいなあって思って。だから前から愛里ちゃんのこと知ってるんだぁ」



ひかりちゃんはニコニコしながら話す。
なんか…すっごく可愛い!
知っててもらえて、嬉しいかも。

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