ストロベリーLOVE
私の声に反応して、その私の奇跡を持った客が立ち止まる。

私はその客を見ると、再び心の声を口に出して

「さっきの障害物」

私は決して言ってはいけない言葉を口にした瞬間

両手で口をおさえたが、言葉は消えなかった。

“どうしよう、どうしよう”

私がそう思っていると、その障害物、いえいえ、その素敵な男性は振り返る。

「ごめんなさい、ごめんなさい。何でもないんです。何でもなくはないけど、さっきのは独り言で、聞かなかった事にして下さい」

私は相手の顔を一切見る事もなく、言葉を続けた。

「だから、すいません。ホントすいません」
私は相手の言葉を待たず、小走りでその場を立ち去った。

2つほどカドを曲がって、棚の隅に小っちゃくなって隠れる。

“はあ、大きなスーパーで良かった。よし、ここで5分待機”

5分後

“よし、もういないかな”

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