雨のち晴れ時々曇り
「それ俺のアドレス。
辛くてしんどくて泣きそう
なったらメールしておいで。
俺こんなんやけど話くらい
聞けるから」

にこっと笑って彼は立ち上がった。

「さて!明日もバシバシ練習やし,
そろそろ寝よか!!」

私は何回も頷き涙を拭った。

「おやすみ」

そう言って彼は宿舎に
歩いていった。

お礼を言い忘れたのでメールを
送って眠りについた。

これが私達の出会いだった。






合宿も無事終わり,段々寒く
なる頃秋季大会が迫っていた。
練習も更に厳しくなって顧問
の注意も厳しくなる。

私は怒られる日々が続いていた。

隣で男子バレー部が練習していて
毎日怒られる私は情けなくて
辛かった。


ある日イレギュラーからも外されて
辛くて一人隠れるように帰り道
泣いていた。

後ろに人の気配を感じ涙を
拭いて下を向き歩く。

ぽたぽたと涙は止まらずに。

「渕神さん!!」

下を向いたまま立ち止まった。
「..し..神藤くんやんっ
どぉしたん?」

私は平静を装って喋った。

でも声は凄く震えていた。

近くまできて彼も立ち止まる。
「どぉしたん。大丈夫か?」

涙がどっと溢れてきた。

「なっ..情けっなくて..
神藤くんの.っ..隣で...
めっちゃ怒られてっ..
いっイレギュラーまで
外されてっ..めちゃっ
情けなくて..っあたし
なんか要らないって」

想いも止まらなかった。

情けない自分が許せなくて,
もどかしくて。

そんなあたしを彼はぎゅっと
抱きしめた。

「辛い時は俺に言えゆうたやん。
頼ってや。
俺には渕神さんが必要やねん。
俺が支えたい」

神藤君の腕に力がはいる。
痛い程抱きしめてくれる。

遠かった存在の彼がこんなに
近くにいた。


私はこの時気付いたんだ。

君のはもぉただの憧れじゃない。



私達はこの時想いを通わせた。
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