チェリーガールアタシが処女と闘った日々
途中から暁子の声は…鼻声になっていた。それに気付いて…
「アキ姉…」
颯斗が振り返ろうとした時…「こっち向くな…向かないで…早く消えな…」と暁子は…目を真っ赤に腫らして…搾り出すように叫んだ。
「アキ姉…いいのか…」
「何言ってんのよホントに泣いちゃうじゃんか」
「アタシの気が変わってもいいのか…早く行きなって早く消えなってほら…早く」
そう言って颯斗の背中を押した。
「アキ姉ごめん」
颯斗は走り出した。
「あの子、放すんじゃないよ…ガンバレ…チェリーボーイ…」
暁子は颯斗の後ろ姿を見ながら…「全く世話かかるお坊ちゃま」と呟くように言った。