身代わり~婚約者は高校生~
「お気づきだったんですね」


「あぁ、両親も気づいていると思いますよ」


じゃあ、止めてほしい。


「・・・」


「さっきも言いましたが、うちにとってあんたでもあんたのお姉さんでも関係ないんですよ」


そう、不機嫌そうに言う。


「・・・」


「あえて、あんたでよかった点を言うなら、加奈子があんたを気に入っているということだけだな。それと、あんたまで逃げたら、『路頭に迷う』くらいじゃ許してやらないから」


楽しそうにワインを飲みほす。


「私たちに『死ね』とでも・・・?」


背中に冷たいものを感じて問う。


「俺は、そんなに優しくないから」


こんなときだけにっこり言う。
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