身代わり~婚約者は高校生~
「あんたは覚えていないんだな」


「えっ・・・。私たちって昨日が初めてですよね」


さびしそうな顔で言われれば身に覚えがないか再度考えを巡らせる。


「あぁ、そうだな」


肯定してくれているとはとれない。


「ごめんなさい」


私にとって何でもない出会いを彼が覚えていてくれたのならうれしい。


逆を言えば、私にとって大切だと思っていた出会いが彼にとってとりとめもないことだったら悲しいと思う。


「どうして謝る」
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