身代わり~婚約者は高校生~
「そう言えば、加奈子ちゃん達は?」


今日は、要の家族4人に私が同行してデパートを貸し切って、視察という名の買い物を楽しんでいる。


と言っても楽しんでいるのは要の母ただ一人。


そして振り回されているのは、私ただ一人。


まるで動く着せ替え人形のように次から次へと試着させられる。


値札を見ればいつも来ている洋服より『0』が2つばかり多い。


「避難」


「・・・」


「加奈子もやっと母さんから解放されたわけだ」


私ってもしかして身代わり?


たぶん、そう口にすれば要は大きく首を縦に振っただろう。
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