身代わり~婚約者は高校生~
「誰?」


要は体を起して聞く。


「うぅん」


「だから、誰に自分から伝えたかったの?」


「知ってどうするの?」


いつになく視線が鋭い要に困惑しながら答える。


「さぁ、どうしよう」


「もう済んだことだし、こうなることがわかっていたとしても同じだったかもしれないし」


誤魔化せただろうか。


加奈子が話せばたぶんわかってしまう。


政略結婚とはいえ、夫になる相手だ。


自分の気持ちは隠し遠さなければいけない。
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