乗務中異状あり
この大野さん、マニアックな人で
例えば、美容にもこだわりがあって...
「私は化粧品を使わない。塩しか。」

なんて言って、同僚のおばちゃんたちを
びっくりさせていた。


そのおばちゃんのひとり、吉田さんと

僕とは割とウマがあうほうで
ものにこだわらない僕らは、よく
休憩室で笑い話をした。

この日は、上野さんも一緒で

「塩かけてんだって」と上野さん。
「梅干しみたいだね」と僕
「梅干しババアだろ」と上野さん。
「虫がつかないでいいじゃない」と僕。
「いいかげん虫がつかないと困るだろ」と上野さん。

吉田さんはキャハハ、と笑い転げていて

休憩室に入ってきた若い子、サトミやイクは
ねえ、なんの話なんの話?と...

郵便は公務なので、きちんと休憩時間が
法律どおりに取らされていたし
有給もほぼ自由に取れた。そこんとこは
とても、民間企業には真似できない。

でも、仕事は非常に厳格だった。




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