大人な君へ
「…………いやだよ…
もお…………」



「死ぬなんていわないで…」



「いつかは死んでしまうの…
なのに…それを早めたり
しないで………………」



「つらくても…つらくても…
この世にいることは…ちゃんとした
意味があるの………」



「だから…………」



千佳は泣き崩れた……



「千佳………………」



俺は千佳の肩にそっとふれ
ぎゅっと抱きしめた



「お姉さんを救うことが
できなかったのは私も同じだから…
あのとき…ゆうすけに
このことはなせば…………」



千佳は体を震わせ
ごめんねと言ってきた



こんなに……………
こんなに……………
俺のことをおもって
くれるなんて……




「……………千佳……」



「ありがとう…」



俺たちは泣きつかれたのか
いつの間にか眠ってしまっていた
< 106 / 111 >

この作品をシェア

pagetop