大人な君へ
たつやにひっぱられたのは
事実だが………
千佳に会いにきたわけだから



「ふふ☆なかいいんだね」



笑いながら俺の隣に
腰掛ける



「幼なじみなんだ」



ぼそりと話しかけた



「えっ!?そうだったんだぁ」



千佳はしらなかったと
いわんばかりの顔で
俺をみていた



「うん。いつも助けてもらって
ばっかだけど(汗)」



そんな千佳の顔をみることが
できず……うつむき気味に
話す俺………



千佳は俺の顔をみながら
俺の話す言葉を一言も
もらさず聞いてくれた



「私もあゆみと幼なじみなの
私ずっとあゆみの後ろに
ひっついて歩いてた」



千佳はあゆみとのことを
話してくれた



「私いじめられっこでずっと
あゆみに助けられてたの」



「でも中学のときあゆみに
うざがられちゃって…」



少し照れくさそうに話す



そんな千佳を俺は
うんと相づちしながら
話しをきいた



「それでケンカになっちゃって
ずっと一緒だった私たちは
別々に進むことにしたの」



「ほら?あゆみってあーゆー
性格だから」



と冗談まじりのように
千佳は俺をみた



「俺らもあったよ」



と俺は千佳の顔をみた



いつみてもすらっとした
きれいな顔だ………



「やっぱり??
ふふ☆みんな一度は経験する
らしいの」



とまた優しく微笑んだ



「だから今の私たちが
あるらしいんだって」



千佳はそっと俺の手にふれた



ドキッとして
体中の体温が急に上がった



「だから…自分の存在が
迷惑かもとかおもっちゃダメだよ?」



千佳は俺の手を優しく
握りながらそういってくれた



「……………なんで?」



なんで…俺の心の中を
読まれた気がした
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