大人な君へ
「もしもし…………」



「………もしもし?」



電話の相手は千佳だった



千佳に会いたい………



「千佳…………今から会いたい…」



俺は電話をぎょっと握りしめた



「………いいよ
今どこにいるの?」



千佳は優しく承諾してくれた



「今A学校の前にいる…」



すぐいくねと千佳はいい
電話をきった……



俺はすぐに親に連絡をした



親は少し承諾するのに
ごもっていたが……



あまりおそくなれなよと
許してくれた……



あんなことがあったあとだ



そうなるよな………



しばらくして………
千佳が息を切らしながら
やってきた



「………ごめん
おまたせ」



千佳はいつも必死だ……



そんな千佳をみて俺は
枯れたはずの涙がこぼれた
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