大人な君へ
「ご………ごめん」



やべ…………格好悪い…



「ゆうすけ………」



千佳は優しく俺を抱き寄せた



小さい体で
小さい手で



俺のことを包んでくれた



「何があったかわからないけど
つらいときは泣いていいんだよ?」



千佳は小さな手で俺の背中を
さすりながらそう言った



「…………つ………うう」



なにかがプツンと切れた………



俺は千佳の小さな手の中で
大声で泣いた



千佳はずっと俺の頭を
撫でてくれた………












――――――――――



どのくらい泣いていたのか
わからない………



千佳はずっと…ずっとそばに
いてくれた………



なにもいわず…ただただ
黙って…………



「…………ありがとう」



「いえいえ」



千佳は優しく笑った



「どお?少しはおちついた?」



千佳はいっぱいいっぱい
背伸びをして俺の顔を
のぞきこんできた……



やべぇ…………



「ああ………」



「よかった☆」



千佳はにこりと笑い
手を握ってきた
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