大人な君へ
「ここだよ」



千佳は階段を上がり
自分の家の鍵を開けた



「どうぞ」



千佳はにっこり笑い
でもどこか照れくさそうな笑いだった



「…おじゃまします」



俺もなんだか緊張した



「狭いけど…好きなとこ座って」



千佳はキッチンで
ご飯の準備をしていた



好きなとこって言われても



どうしょう……
綺麗すぎて座れない…



とりあえず……正座…



「オムライスたべれる?」



「え?あぁ!うん」



やばいやばい………
落ち着け俺…!!



しばらくすると……
おいしそうな匂いがする



「おまたせ!
どうぞ」



千佳がオムライスを手に
テーブルへ持ってきた



「あ………ありがとう」



「なに。正座して」



千佳は笑いながら
オムライスをテーブルに置く
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