Maybe.
中学最後の、2月14日。
先生に、いちばんにチョコ受け取って欲しくて。
朝早くに会いに行った。
あたしが戸惑っていると、加奈に背中を押された。
うしろから押した加奈の手が、あたしを決心させてくれた。
「…行ってくるね。」
「ここで待ってるから。」
「ありがとう。」
……ガチャリ。
「失礼しま、す…。松田、せんせ…」
「…」
「…松田先生!!」
「え?あ、俺?ごめんごめん。」
あたしが先生を呼ぶことなんてほとんどない。
先生が驚くのも無理はなかった。
「ここ…分かんないんですけど、」
わざと、個別の部屋に入れるように…質問をした。
「あぁ、まだ人少ないし…中入るか。」
「はい…」
ドキドキするこの鼓動が、先生に聞こえそう。
どうか、、、無事に渡せますように。