Maybe.
次の日の朝食。
自分の行動に自分で驚いた。
(ん、いないじゃん…。)
(あれ、どこ行ったんだろ?)
気付けば目線が、松田先生を追っていた。
…昨日、あんな嘘ついたからちょっと意識してるだけ。
無理やり自分にそう思い込ませたけれど。
結果的には意味がなかった。
気付けば、目線が勝手に追っていて
気付けば、ずっと頭に浮かんでいて
気付けば…この気持ちをごまかす理由ばかり考えてる。
一瞬であたしは、それが恋だと悟ってしまった。
でも松田が好きだなんて、どうしても認めたくなくて逃げ道ばかり…探していた。
「ちょっと里香?どしたの?」
「あ、ううん。何でもない。」
「じゃあ早く行こ。今日は自由行動なんだし♪」
「うん、すぐ行く。追うから先行ってて。」
「おっけー、早くねー。」
大好きだけど、好きって思いたくなかった。