Maybe.
なんで、松田じゃなきゃいけないの。
もっとこう……、他にいるじゃん。
性格は悪いし、一番嫌いなタイプだったのに。
どうして……、、、
こんなにも溢れるほどに、
…好きなんだろうか。
『学校なんて、部活がなければ行きたくない』
そんな存在だった。
あんまり好きでもない。
そりゃあ、友達といて楽しい。
でもそれは同時に、大嫌いな友達とも会わなければいけないんだ。
そんな面倒くさいこと、しない方がいい。
グチグチ言う先生も好きじゃないし。
唯一、部活だけは…やっていたかった。
練習キツイし、先輩もウザイ。
すごい嫌になる時もあるけど、頑張っていたいって…思えていた。
それだけのために、学校に来ていた。
…けど、今は違っている。
逢いたいがために。
話したいがために。
学校に行く足取りが、軽くなっている自分がいた。
『学校に行かない=先生に会えない』
そんな方程式が自分に深く、刻み込まれていた。
気付けばこんなにも大好きで、目で追うその姿は日に日に大きくなっていった。
「第一章---好」 end.