夢の国のアリス
すると、黒猫は急にふわふわとふざけるのをやめた。
「じゃあ、“アリス”の“答え”をあげる。」
「本、当…?」
あの一瞬から、
黒猫の纏う空気が変わった
まるで、その人格自体が変わったように。
でも、戸惑いながらも僕は尋ねた
アリスの居場所を、
宙でピタリと静止したままの黒猫に。
そして、黒猫は口を開く
僕に言い聞かせるように静かに、キレイな言葉のイントネーションで。
「“アリス”は消えたよ、この“世界”から。」
「―え?」
これは現実なの?
これは夢なの?
この世界ってなに?
アリスは、どこなの?