夢の国のアリス
再会のための雫
闇を駆け抜け
光の中へと飛び込んだ。
「―アリスッ!!!」
喉が壊れるくらい
姿も見えてもいないうちから、僕は呼んだ。
「ッ、ウォルナットッ!?」
また幻聴なのかもって思ったけど
わたしは呼んだ、姿も見えないうちから。
重なる、声にならない声と声
わたしの目からは、
きみの姿さえ見えないくらい、大粒の雫が零れる。
「…こんなに早く、この場所にくるなんてっ…ボクの邪魔をしたのはチシャなのかい…!?」
ウォルナットの姿を見たらしい白兎は、
わたしの後ろで、わけのわからないことを小さく叫んだ
それはひとり言のようで、違うようで
だけど
その薄暗い感情の影響は、わたしにも及んだ。