ぴーす
「借りる……そういえばお姉ちゃんが持ってる! 3年の教室行ってくるね!」


芽亜莉は早口でそう言うと、1つしかないドアに寄りかかった。


「開けていい?」


芽亜莉が皆に聞く。
更衣室のドアは、開けると中の全体が見渡せる。
着替え中だと、廊下にいる人に見られる可能性あるから、ドアを開くときには皆に確認するのが決まりなんだ。


「「「「いーよぉー」」」」


皆の声が重なって、芽亜莉はドアを開いた。


「先行ってるねー!」


あたしがそう言うと同時に、古いドアが閉まる音が聞こえた。



あたしは話し相手がいなくなって寂しいから、皆がいる方向に顔を向ける。


「桃花、相変わらず声おっきい!」


「えへへ、ゴメン」


すぐに隣に来てくれたのは、小学校の頃からの親友・みっちゃん。









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