ぴーす
しずるちゃんは返事はしたけど、真由ちゃんのところへ行こうとはしなかった。
まだ迷ってるんだろう。



「……なんで?」



返したあたしの声は、凍ったようだった。
さらに皆が静まり返る。


「なんでって……」


呟いた真由ちゃんは、珍しく戸惑っていた。
真由ちゃんの友達も、わけがわからなそうな顔をしている。


あたしはゆっくりと真由ちゃんのほうへ歩み寄った。



「何を話すの?」


「何って……あ! 根本さんのこと話そう」


あたしはきっと無表情だろう。
真由ちゃんの友達は次々と芽亜莉のことを話し始めた。


「なんで学校来ないの?」

「いじめられたらしいよー」

「うちら馬鹿にされてない?」

「あの休みのマジウケた!」


皆見下げたように鼻で笑っていた。


なんか皆が……醜く見えるよ。









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