ぴーす

「正直ヤじゃなぁい？」


真由ちゃんの一言は、皆を静まり返らせた。


「……あんまり芽亜莉に関わらないようにしよーよぉ！」


真由ちゃんはいつもみたいに、可愛らしくふふふと笑う。


「皆着替えた？ 開けるよぉ♪」


ドアを開くときの決まり文句を言いながら、真由ちゃんは皆と一緒に出ていく。


「桃花？」


「待って、教室に縄跳び取りに行く！」


みっちゃんに呼ばれて、あたしは急いで教室に戻った。




「あれ？ 皆も忘れたの？」


教室に戻れば、さっき出てった皆がいた。


「ウチらはペンポだよ！ 桃花みたいにドジじゃないぃ〜」


いつものトーンで言ったあたしに、いつものトーンで返す真由ちゃん。


「なにそれ〜！ てかペンポも忘れてた！」


なんだか怖くなって、笑って返してからベランダ側の一番後ろの席まで走る。