ぴーす


♪ ぽっぽっぽー



♪ ハトぽっぽー



……?

何これ、ハトぽっぽ?



急に歌が聞こえてくる。
優しい声……男の人だ。
だけどそんなに低くなくて、やわらかくて聴きやすい声。

なんか安らぐな。



♪ まーめが欲しいか
  そらやるぞー



でもなんであたしの家付近で、はとポッポ?

小学生が歌ってんのかな?



そんなことを思いながら、家へと続く砂利の一本道を歩いて行った。



ガラララ....



「ただいまー」


いつもみたいに、家全体に響くように声を張る。
だけどいつもと違って、あたしは憂鬱だった。

返事が聞こえないのはいつものこと。
あたしは白いスニーカーを雑に脱いで、すぐ右にあるリビングのドアを開けた。



ドサッ



カバンをど真ん中に投げると、靴下をまた投げて、水を飲むために台所へ向かった。










< 23 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop