ぴーす
♪ ぽっぽっぽー
♪ ハトぽっぽー
……?
何これ、ハトぽっぽ?
急に歌が聞こえてくる。
優しい声……男の人だ。
だけどそんなに低くなくて、やわらかくて聴きやすい声。
なんか安らぐな。
♪ まーめが欲しいか
そらやるぞー
でもなんであたしの家付近で、はとポッポ?
小学生が歌ってんのかな?
そんなことを思いながら、家へと続く砂利の一本道を歩いて行った。
ガラララ....
「ただいまー」
いつもみたいに、家全体に響くように声を張る。
だけどいつもと違って、あたしは憂鬱だった。
返事が聞こえないのはいつものこと。
あたしは白いスニーカーを雑に脱いで、すぐ右にあるリビングのドアを開けた。
ドサッ
カバンをど真ん中に投げると、靴下をまた投げて、水を飲むために台所へ向かった。