ぴーす
「おぉ〜、おかえり」


聞き慣れた図太い声ののんびりとした口調。


「お兄! なんで今日早いの?」


いつもなら夜遅くにヘトヘトで帰ってくるはずのお兄。
冷蔵庫から牛乳を出している。


「ん? もう終業式終わったー」


お兄は素早く牛乳を冷蔵庫へ戻すと、リビングの大きいテレビでゲームを始めた。


「いーな……」


って、あたしも明日終業式じゃん!

ってことは早く帰れるし、明後日からは冬休み♪


「ぽっぽっぽー♪ ハトぽっぽー♪」


さっき聴いた歌を思い出して口ずさむ。


あ、そうだ。


「ねぇ、ピースってどういう意味?」


「ピースぅ〜?」


お兄は嫌そうな顔をしながら、こっちに振り向く。


「……かけら、じゃね?」


お兄はまたテレビへと視線を戻す。


「ふーん……」


かけら、か!

あたしはふふん、と含み笑いをして、階段を駆け上がった。









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