ぴーす
「でも気をつけなよ。中野って意外と人気あるみたいだし……。そういやさ、真由ちゃんも好きなんだって」


中野はムカつくけど、人気があると言われれば、否定したいけど首を縦に振らなければならない。

普通ならそんな全くしゃべんない人は忘れ去られてるかもだけど、女子みたいな顔立ちと異常な存在感でかなり目立っている。

この学年の女子は3つに分かれていて、派手系・普通系・影系。
同じ女子なのになんで分けんのか知らないけど、あたしは平々凡々だから普通系。
友達だってそんな感じ。

で、中野はクールだとか言って、派手系の女子から人気があるんだ。

だから派手系のボス的存在な真由ちゃんは、中野が好きだってもっぱらの噂。
見る限り本当っぽいんだけど。


「ふーん」


「ふーんって! 桃花少しでも恋愛に興味持ちなよ……」


そんな風にみっちゃんは呆れるけど、派手系女子は怖いんだ。
ただ好きな人がカブッただけでケンカ売るらしい。


――ってこれもただの噂だけど。

こんな状態で、隠れビビリのあたしが安心して恋とか愛とかできるわけない。









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