ぴーす
「ねぇ、みっちゃん!」
あたしは階段を上から一段下がったところで、みっちゃんを呼び止めた。
「どうしたの?」
いつの間にか二段先を行っていたみっちゃんは、体ごと振り返る。
あたしはみっちゃんに追い付くように、階段を駆けた。
「やっぱ芽亜……っ!」
ちょうどみっちゃんの横にたどり着いたと思ったとき、勢いあまって右足を前に出していた左足にぶつけてしまった。
「ももっ……!!」
みっちゃんの裏返った声が耳に届いたのは、ちょうど頬に冷たさを感じたときだった。
「いっ……!」
声にならない痛みを堪えながら、階段を駆け降りてくるみっちゃんを見る。
「大丈夫、桃花!」
みっちゃんは眉を下げて、倒れたあたしの真上に座る。
床に張り付け状態のあたしの顔を、みっちゃんはゆっくりと自分のほうへと向かせた。