ぴーす
「血が出てる! 先生っどこ!?」


そう言ってみっちゃんは立ち、キョロキョロと周りを見る。
みっちゃんの左の中指には、赤いトロッとした液体がついていた。

……あたしの血だ。

あたしの頭にも、なんだか生ぬるいものがツーと伝わっている。
倒れこんだ状態のまま、動くことができない。

そのたびに、足には激痛が走る。


強く打っちゃったかな……。

こんな経験まったくないから、よくわかんないよ……。


痛さを感じるたび、あたしはうずくまる。

真っ白い靴下のみっちゃんの横に転がっているあたしの足。
足を押さえたとき、少しだけ靴下を上げた。

まだ残っている黄土色の泥は、不格好ににじんでいた。

白い靴下をほんのりと汚した泥。


まるであたしの心のようだった。










< 42 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop