ぴーす
窓の外を見ると、チュンチュンと青色の薄汚い小鳥が、今にも折れそうな木の枝に止まっている。

枝が弱々しくポキッと折れたとき、小鳥は当たり前とでも言うかのように、華麗に空へ羽ばたいてみせた。


いいなぁ――鳥は自由で。


真昼なりに、太陽はサンサンと輝いている。
目を細めて、それを見ようと試みるけど、放たれる輝きには勝てやしなかった。

ゆっくりと小刻みに揺れる可哀相なあたしの足は、たとえ病室でも目立っていた。

嫌気がさしてきて布団の中にもぐりたい。
だけど今はそんなことすらもできやしない。



「お嬢ちゃん、どうかしたのかい?」


背を向けた方向から聞こえてきたガサガサしたおじいさんの声。
あたしがずっと窓を見ているもんだから、不思議がったみたい。


家族以外は同年代しかしゃべったことないから返事に困る。


「いや……なんにもないですっ」


良くも悪くもない言葉を連ねたあたし声は、聞こえない大きさで裏返っていた。









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