ぴーす
「……調子はどう?」
ドアが開いたすぐあとに、少し高くなった気がするような、院長の声が聞こえてきた。
歩けないあたしのために、わざわざ来てくれたのかな?
そう思うとワクワクした。
勢いよく振り返ると、赤い帽子に白く長い髭。
お決まりの赤い暖かそうな服。
だけど、いつも見ている院長より少し背が低くて、体格も細い。
なにより顔が院長じゃない。
――中野だ。
しかも、サンタクロースの格好もいびつで、帽子には茶色いツノ。
鼻にはまんまるの赤いタマ。
赤い服の下には、これまたお決まりの茶色い服。
――トナカイサンタ、そう呼ぶのがピッタリだ。
「なんでここにいんの!?&何その格好!? 20文字以内で答えよ!!」
「ここ俺ん家だし、今日クリスマスだから。」
うん、20字以内。
だけど一瞬にして数えきれないほどの疑問が。