ぴーす
ここ俺ん家……ってことは
中野ん家!?
「はっ!? 中野ん家なわけ!?」
「さっきそう言ったじゃん」
勢いよく起き上がり、同じトーンで話す中野の方向へ前のめりになった。
「自分の入院してる病院もわかんないの?」
中野が茶色いポケットに手を入れる。
姿勢の悪い中野から見下げられていてムカついた。
中野から見下げられることなんてなかったのに。
とにかく必死で記憶を辿る。
最初病院に来たとき……ダメわかんない。
そうだ……院長の名札……。
中野って、書いてあった。
「……中野総合病院。じーちゃんが建てたとこ」
病院も中野、院長も中野……。
「中野って院長の子供!?」
「そーいうこと」
やっとか、とでも言いたそうに、唇を尖らせる中野。