ぴーす

「そしたら余計にこぼすだろ」


中野が向けた視線の先には、さっきあたしが落としたカケラが床に散らばっていた。



……バレてかのか。


からかった仕返しをされたようで、面白くないし、第一恥ずかしい。


言い返せなくなったあたしは、ちょうど半分に割られたクッキーを両方とも取り、大口開けて半分と半分を食べた。

格好つくはずもなく、結局前よりも多く粉がこぼれ落ちる。


中野が軽く笑みを浮かべるのを恨めしい目で見ると、また半分のクッキーを渡してくれた。

口の中に入れる前に、中野はあたしの膝に何枚かのティッシュ、ベッドのすぐ横にはゴミ箱を用意する。
ビニール袋から半分に割られてる数枚を出して、重ねられてるティッシュの上に置いた。


立ち上がった中野は、丸イスの横からオレンジジュースの入ったペットボトルを、あたしの真横の机に置いた。










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