ぴーす

学校での4日間って、短いようで長い。

この数日間で、仲良い子達がグループにわけられてしまうから。



「おはよう!」


後ろから声がして、グルッと振り返る。

同じセーラー服を着た子だ。


「お、おはよう」


キョトンとしながらも返事を返す。
女の子はニコッと笑った。


「私、山 しずるっていうの。桃花ちゃんでしょ? 席はねー……」


そう言うとその女の子は、あたしの腕を引っ張る。

着いたのはちょっと廊下側の、前から2番めの席。


「ここでねっ。んで私はその後ろ」


自分の机に鞄を置いたしずるちゃんは、またニコッと笑う。



……山さんの、お孫さんかな?


そうひそかに考えた。


「ありがとう」


笑って返すと、だんだんと教室に入ってくる。
やっぱりあたしを皆凝視してくる。


「気にしなくていいからねっ」


優しく囁いたしずるちゃんは、ポンッとあたしの肩を叩いて、また笑った。









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