ぴーす
「……!」


驚いた表情をする芽亜莉。
蛍光灯がついてなくて、この空間だけが暗い。

立ち尽くす芽亜莉は、髪をバッサリと切ってあって、ふんわりとしたショートボブになっていた。



「どうして……」


ただ言葉だけを出す芽亜莉の瞳は、ゆらゆらと揺らいでいる。


「芽亜莉、あのねっ」


話しかけようとしたとき、芽亜莉はあたしの右をスルッと通りすぎた。


「え……?」


訳がわからず声を漏らす。
後ろを振り向くと、スタスタと歩いていく芽亜莉がいた。


「芽亜莉待って! ごめんねあたしっ」


去年のことを思い出す。
あたし一人でも普通に接していたら、少しは変わっていたのかもしれない。


「なんのこと? もう……いいし」


「いいわけないじゃん!」


あたしは必死で芽亜莉を追いかける。
一生懸命走っているのに、芽亜莉との距離が縮まらない。










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