ぴーす
「あ……真由ちゃん」
しずるちゃんの肩を叩いたのは、紛れも無く真由ちゃんだった。
あたしの背が伸びたせいか、真由ちゃんが前より少し小さく見える。
「向こうで皆と話さなぁい?」
変わってない口調。
ひとりでに嫌な顔をしているのが自分でもわかった。
「う、うん……」
あたしに目配せながら、しずるちゃんはゆっくりと立ち上がる。
真由ちゃんには言葉ではわからない、無言の圧力がある。
逆らえない雰囲気を持ってるんだ。
あ、ハブられる。
瞬間的にそう思った。
次ターゲットはあたしかな。
そう不安になる。
「桃花ちゃんも一緒にねっ」
ニッコリと笑って言った真由ちゃん。
想像しなかったことに、思わずキョトンとしてしまった。
あたしもゆっくり立ち上がって、真由ちゃんについていった。