ぴーす
「でね〜」
「何それウケる!」
「したらなんかぁ〜」
「ムリムリムリ! 超ムリ!!」
一番後ろの窓際で、真由ちゃんの友達とかと話す。
といっても、普段一緒にいないあたしとしずるちゃんは話題についていけない。
完全に浮いていた。
ガラッ
いきなり開いたドアに、教室が静まり返る。
皆視線を、開いたドアに向けた。
あたしも振り返る。
「あ……」
――芽亜莉。
ドアにまだ手をついている芽亜莉は、肩にかけた鞄をギュッと掴んでいた。
ゆっくりと教室へ足を踏み入れる。
あたしは芽亜莉の方向に向かおうとした。
「あれぇ〜? 今ごろ来たのぉ?」
その声で、あたしも芽亜莉も、動くのを止める。
また後ろに振り返ると、真由ちゃんがニヤリと笑っていた。