ぴーす

ゆっくりと、中野が向かうパソコンをのぞき見てみる。


ゲームをやっていた。
中野のが操ってるであろう戦闘機は、上から降ってくる何かを緑のビームで倒していく。

見事命中するたび、ポイントが加算されていく。
中野は戦闘機を、右左に動かすだけ。

中野の指先を見てみると、たしかに特定のキーしか打ってなかった。


だけどただ見ているだけじゃつまらない。

暇になってきたあたしは、足を床に向かって思いっきり伸ばした。

クシュッとくるぶしまで下がった靴下は、階段から落ちた日を連想させる。


この部屋が暑いのか、なんなのかわからないけど、何故だか汗が出てきた。

中野に視線だけ向けて、暖房を切るよう訴える。
中野はさっきと変わらずパソコンだけを見つめている。


お絵かきでもしようかな。


変なところに思考が行き着いたあたしは、左に山のように置いてある灰色のアンケート用紙を1枚とった。









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