ぴーす
「ごめん! ちょっといってくる!!」



意味を理解した瞬間、あたしは図書室を飛び出した。
来たときと違って、バレーシューズがバンバンと床に強く当たって、跳ね返るような音が出る。



やっとわかった。
中野が言いたかったこと。



あたしは、ピースマークが好きだった。

だけど、


ピースの意味なんて知らなかった。


あたしはピースなんかじゃなかった。


平和なんかじゃなかった。



芽亜莉のことも、真由ちゃんのことも。


ビビって、大事な親友守ることができなくて。

またそれを繰り返して。



中野に、あれ見せられるまで気づかなかった。

呆れられるはずだ。



中野、やっぱアンタ長老だ。


ヒントしかくれないもん。



とびっきりの、大きなヒントしかね。




中野、もう大丈夫だよ。


中野に言われなくても、

何しなきゃいけないのか



もうわかってるから。










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