ぴーす
あたしが立ち止まったのは、昨日芽亜莉と会った、暗い廊下だった。
「ハァハァ……」
息が上がる。
あのときみたいに、肩を上下に揺すって。
膝に手をついて。
やっぱり、2日連続で走るのはつらかったかな。
ふと自分の足を見る。
不思議なことに、下がっていた靴下が、膝まで伸びていた。
その廊下と、昨日は通ってない別の緑色の廊下との境目にある、公衆電話に向かう。
胸ポケットから生徒手帳を出して開く。
後ろに閉まってある、十円玉を抜き出した。
そして公衆電話の右を見る。
そこには、古びた紙が張ってあった。
この学校の図書室や音楽室とかの教室には、それぞれ電話がついている。
だから芽亜莉の特別教室にもその電話がついてるはず。
この紙には、それぞれの教室の電話番号がボールペンで細かく書いてあるんだ。
あたしはそれをどんどん下に見ていく。
特別教室の文字を探して。
一番下に、特別教室の番号が書いてあった。