ぴーす
『で、でも……』


芽亜莉の声は相変わらず震えてる。

そりゃそうだ。

芽亜莉には、真由ちゃんや皆いる教室は、たぶん相当なトラウマになってるんだろう。



「お願いだから……! あたしが……芽亜莉守るから!!」


おかしいな、なんか涙が出てくる。
鼻声になっちゃってただろう。



「一人がつらいなら一緒にいるから! 愚痴ならなんでも聞くし、それにっ……」


あたしは床に座り込んだ。
足がズキズキと痛い。
心が締め付けられる。


どうしたら、芽亜莉に伝わるんだろう。



「つらかったとき……一緒にいてあげられなくて、ごめんね」



涙がたくさん流れてくる。
もうダメだ。

こんなカッコ悪い声、聞かせられないよ。



あたしは静かに、受話器を元に戻した。
カチッという音と、あたしのすすり泣く声が静かな廊下に響く。


あたしはゆっくりと立ち上がって、袖で涙を拭った。










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